字駄楽ト界

Life is a jest,

RPGで遊ぶこと (UNDERTALE雑感1)

UNDERTALEで遊んでいる。確か日本語modが出たときに買って積んでいたのをwindowsパソコンを借りてカオスチャイルドをノーマルエンドした後に思い出し、公式版でたんかと思ってやり始めた。最初はBotWの息抜きにちょっとお手軽なRPGでもやりますか!くらいの気持ちだったんだけど、まぁどハマりしたのでその辺を書いていく。

全世界でものすごい人気と聞いていたのでなんとなく往年時のFFみたいな「ザ・名作」なんだろうと決めつけていたが、予想に反してコレはすげーヤベーゲームだ。端的に例えるならループ選択肢のないドラクエ。魔王に世界の半分をやろうと言われて試しに「はい」を選んだら、本当に副魔王として降臨することになりました、みたいな。

ではこのゲームのどこが異常なのかを考えてみる。

まずこのゲームに興味を持ってsteamで検索するとPVには「誰も死ななくていいやさしいRPG/THE FRIENDLY RPG WHERE NOBODY HAS TO DIE.」とある。
しかし、この説明文からなるほどこのゲームはほんわか優しいみんな幸せRPGなんだな!と判断するのは瀕死のジョセフ・ジョースターの前で勝ち誇るくらい気が早い。何故か。

ゲームを遊んでいる最中に、マリオがクリボーを踏むのもカービィワドルディを吸い込むのも勇者がはぐれメタル会心の一撃をくらわすのも、全部その敵は死んでいて私はそいつを殺している。けれど私は、そういうとき通常「たおす」とかいった言葉を使い敵を殺したとは意識しない。
なぜならそれらのゲームにおいて死という概念は実装されていないか、非常に希薄だからだ。テトリスで消したブロックに「殺した」という言葉を使わないのと同様に、敵は「たおす」ものであって殺すものではない。
これを踏まえてundertaleの冒頭の一文を読んでみてほしい。「死ななくていい/NOBODY HAS TO DIE.」とはつまりこのRPG「死ぬ/DIE」という概念をちゃんと持ち込んでますよという宣言であって、だから逆説的にキャラクタをちゃんと殺すことができるということでもある。

このゲームのどこが異常なのかって、それは正しく「死ななくていい/NOBODY HAS TO DIE.」という点だ。何故なら、それは出来ない・・・・はずだったから。
というわけでちょっとRPGというジャンルを振り返ってみる。

D&Dより此の方、敵を倒すことはあまりに当たり前だった。というより、敵を倒さないことにはハックアンドスラッシュが成立しない。そしてだいぶ時が進み、現代アメリカの町を舞台にしたMOTHERというゲームが現れる。このゲームは背景の都合上「殺す」と同義の「たおす」は使いづらい。だから「戦闘に勝利したときに敵ごとに異なったメッセージを表示し、殺していないことを明示する」という解決策を発明した。それによって、MOTHERでは敵を殺さずにたおすことができる。思うにこの「殺す」と「たおす」の切り分けは大発明だろう。これがあったからポケモンも可能になった。

では逆に、敵を明示的に「殺す」RPGはあるだろうか。もちろん各ゲームのボスはちゃんと殺され、滅ぼされている。けれど、ザコまでちゃんと殺すことが出来るRPG、というと相当珍しい。 (MOONとニーアレプリカントがそうらしいと聞いたが、ハードがなくて遊べていない。Lisaは次のセールで買う。またMOONはLOVEを集めてレベルアップするゲームだとか)

なぜかと考えてみれば簡単で、私はゲームを遊んでいるときに「殺した」なんて罪悪感を味わいたくないからだ。普通にプレイしていく上で敵を「殺す」ことが強要され続けるRPGは、相当暗い話になるはずだ。(OFF を参照のこと)

ではザコを「殺す」ことも出来るし、「殺さない」こともできるRPGというのはどうだろう。
しかしそれは前述の通りRPGの原理であるハックアンドスラッシュと衝突してしまう。経験値を宝箱にしまっておけない以上、ゲームシステムが敵を殺すことを訴求するのだ。縛りプレイである程度の不殺を貫くことはできるが、それはごく一部の上級者向けの特異な遊び方であって「殺さない」ことをストーリーに組み込むのは難しい。仮にひたすら逃げるコマンドを選び続けるルートがあったとしても、まず面白くないだろう。このように「殺す」という選択肢と「殺さない」選択肢はゲームバランスとしてあまりにアンバランスだ。だからこれまで、ザコも含めた全ての敵のを「殺す/殺さない」を選べる王道RPGはなかった。

そう、UNDERTALEまでは。

UNDERTALEで本当にスゴイと思うのは、このハックアンドスラッシュ要素をSTGへ外注することによって「死ななくていい/NOBODY HAS TO DIE.」というテーマを達成しているところだ。まさにコロンブスの卵。このゲームでは、「殺す」ことと「殺さない」ことは同じくらいの難易度と達成感で実行することができる。

ロールプレイングゲームの物語とシステムが噛み合ったとき、それはどんな映画でも、どんな小説でも味わえないような体験をプレイヤーにもたらす。そういう意味で、このゲームは本当に素晴らしい。

いや何言ってんのこういうゲームあったから!という意見ありましたら随時募集しておりますので、是非教えてください。 次は「殺す/殺さない」という主題について書く予定。